
カラタチは柑橘系の樹の台木として使われる樹です
柑橘類は生長が遅く、種のユズは実がなるまで20年もかかりますが、
カラタチに接ぎ木を行うと、収穫までの期間を大幅に短縮できます。
台木のほか、美しい白い花は観賞用としても価値があり、
実は生食はできませんが、果実酒として利用することができます。
3cmもの鋭いとげがあるので手入れをするときには注意が必要です。
昔はこのとげを利用して、防犯用の生け垣としても使われていました。

1.寒さに強く、寒冷地でも庭植えで栽培することができます。
2.トゲがあるので植える場所に注意し、できるだけ小さく育てましょう。
3.栽培は容易で、実の管理は必要ありません。
[カラタチ 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
カラタチは寒さに強く、日本全国どの地域でも育てることが可能です。
寒冷地で露地栽培を行う場合は、株元を藁で覆い、
霜が直接当たらないようにしましょう。
日当たりがよく、排水のよい土地を好みます。
・品種選び
普通系:柑橘類の台木として用いられる品種です。
飛龍・雲竜:矮性で観賞用として用いられる品種です。
■植え付け
3月に種を播き、乾燥に注意しながら、
日当たりのよいところで1年間育てます。
接ぎ木としては、2年目の夏以降に使用することができます。
庭植えにするときは2年目に地植えにします。
観賞用として育てる時は、鋭いとげがあるので植える場所に気を付け、
できるだけ小さく育てます。
カラタチの根は浅いので、直径30p、深さ20pの穴を掘り、
掘り上げた土に堆肥と腐葉土を混ぜます。
苗木を植えたら根が隠れるように埋め戻し、
添え木をし、しっかりと水を与えます。

鋭いトゲに愛らしい花です
■仕立て方
放置すると逆三角形となり、内部に枯死枝が残りやすくなります。
トゲがあるので仕立てが難しいのですが、3本の主枝を開き気味に育て、
内部の手入れをしやすくしておきます。
■剪定
トゲがあるので剪定が難しいのですが、樹の外側に実が付きやすく、
樹の内部が枯れたようになってしまいがちです。
春先に込み入った枝や内側の枯れ枝を切り取るように剪定を行います。
■栽培管理
・施肥
3月と10月に有機肥料を与えます。
・受粉
カラタチは人工授粉を行う必要のない自家結実性です。
■果実管理
隔年結果性は低く、摘蕾や摘果などをする必要はありません。

果実は良い香りで、果実酒に向いています
■収穫
実が付くすぐに黄色く熟してきます。
収穫は10月頃に行います。
収穫した実は生食はできませんが、
果実酒などに加工するとよいでしょう。
■病害虫
ハダニやアブラムシが発生することがあります。
ハダニは水に弱いので、
定期的に葉にしっかりと水をかけて予防しましょう。
*写真協力=草花写真館
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