
紅玉、作りやすいです

王林、人気の品種です
リンゴは西アジアに自生している果樹です。
ヨーロッパでは4000年以上前から栽培されていると言われ、
ギリシャ神話や伝説にも取り上げられるぐらい昔から身近な存在です。
日本で栽培が本格的に行われたのは明治時代に入ってからです。
リンゴの種類は観賞用や野生種も合わせると数千種類にも及びます。
果実の色、形、肉質や収穫時期はそれぞれ違ってきます。
果実は酸味が強いもの、甘みが強いものなどバリエーションが多いです。
生で食べるほか、ジャム、ジュース、お菓子などに利用されています。
また栄養価が高い果物として、病気お見舞いの品としても選ばれています。

1.涼しく夏に雨の少ない気候を好みます
2.水はけと水もちのよい土壌を好みます
3.肥料切れと水切れに注意します
[リンゴ 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
4月〜10月の生育気温が15℃〜19℃と比較的低いです。
涼しくて雨が少ない東北地方より北の地域、
長野県のように中部地方の高冷地などが適しています。
暑さに強い品種を選べば、暖かい地域でも栽培は可能です。
・品種選び
リンゴほとんどの品種が自主受粉をしないので、2種類以上の品種を植えます。
開花時期と品種同士の相性をあわせることが重要です。
ふじも育てやすく美味で人気の品種です
「ふじ」「王林」「ゴールデンデリシャス」「つがる」「紅玉」などが
栽培しやすいおすすめ品種です。
「陸奥」は他の品種を結実する力が弱いので、家庭果樹には適していません。
■植え付け
苗木は冬に出回りますが真冬は避けて、
3月ごろ日当たりのよい場所に植え付けます。
深さ、直径とも50cmぐらいの植え穴を掘ります。
掘り上げた土はあらかじめ二つの山にわけておきます。
ひとつには油かす腐葉土を混ぜて穴に戻します。
次に何も混ぜていない土をかぶせ、地表面と平らになるまでならします。
この作業の2週間ほど前に、苦土石灰を混ぜて土の酸度を調整しておくと
さらによいでしょう。
雑草防止のため、株元を木材チップなどで覆うと後の手入れが楽になります。
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リンゴ園のりんごたち
■仕立て方
リンゴは枝づくりのやりやすい果樹です。
樹形の美しさを楽しめる側枝水平形仕立てがおすすめです。
矮性の台木を使うと樹高が高くならないので便利です。
庭のシンボルツリーとして適している主幹仕立て、
垣根などを利用して枝を誘引するパレット仕立ても楽しめます。
■剪定
リンゴの剪定は、夏季(6月)と冬季(1〜2月)に行います。
・夏季剪定
夏季の剪定では、新梢が伸びて葉が茂り、
枝が重なったり込み入ってきたらその部分を切り戻します。
株の内側にも太陽光が差し込むようにします。
太い枝の背中や切り口周辺から伸びた枝は、その元から切り戻します。
またまっすぐ上にむいた枝も強すぎるので取り除きます。
・冬季剪定
リンゴは植えてからしばらくは剪定をおこなう必要はありません。
自然に枝を伸ばしてかまいません。
植え付けてから3回目の冬から剪定を行います。
古くなったり、重なり合っている不要な枝を切り戻し、
残した枝に短果枝をつけるようにします。
■栽培管理
・施肥
元肥として12月〜1月にかけて、牛ふんや油かすなどの有機質肥料を施します。
萌芽前の3月ごろ、化成肥料を施します。
葉に元気がない時は、9月〜10月ごろに窒素分を補うと速効性肥料を少々与えます。
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人工授粉が必要です
・受粉
リンゴの品種の大半は、自分の花粉では結実しません。
そこで同時期に開花する2種類以上の品種を植えるか、
人工授粉させる必要があります。
花が5分咲きの時と満開時の2回、他の品種の花粉をつけると
確実に実がなります。
・摘果
リンゴのの摘果は2回行います。
1回目は開花後2〜3週間後、実がなったら中心になる花を残し、
他の花は全部摘み取ります。
2回目は生理落果が終わった5月〜6月ごろ行います。
形が悪い実、病気になったり傷がついてしまった実を中心に摘み取ります。
目安は大玉品種で5房に1果、中玉品種で3房に1果を残すようにします。
病害虫を防ぐために、摘果後袋がけを行います。
ただし袋がけをしない方が、果実の甘みが出て美味しくなります。
青森リンゴ園の収穫時
■収穫
リンゴの収穫時期は品種によってちがいます。
8月下旬〜9月に収穫できる「津軽」「さんさ」、
10月には「王林」「陽光」「千秋」などが収穫できます。
晩秋に収穫できる「ふじ」は凍害にあわないように注意します。
いずれにしても木で十分に色づき、熟してから収穫します。
■病害虫
リンゴの病害虫は多いので、チッソ肥料を多く使うのは避けます。
早期発見できるように果樹の健康状態を常に注意します。
・斑点落葉病
梅雨の高温多湿の時期に発生しやすいです。
葉に斑点が出た後、落葉します。
対処方法は被害部分を取り除き、薬剤を散布します。
・うどんこ病
梅雨の時期に果実や枝葉にうどん粉をまいたような白い胞子が発生します。
葉が枯れてしまうので感染してしまった部分を取り除き、薬剤を散布します。
・ハダニ
7月〜9月の高温時期に発生します。
葉の裏に寄生し、樹液を吸います。
対処方法は乾燥を好むので、強い水圧で吹き飛ばしてしまいます。
■リンゴのわかりやすい育て方
・リンゴの育て方 鉢植え|矮性の台木苗でコンパクトに
・リンゴの花が咲かない理由
・リンゴ 人工授粉のコツ
・ヒメリンゴの育て方 庭植え|通気性と排水性の良い場所に
・ヒメリンゴの育て方 鉢植え|水不足に注意します