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スモモの実もきれいですね
スモモはモモの仲間です。
果実はモモよりも酸味が強く、サイズも小さいです。
漢字では「李」と表記されます。
英語では「prune(プルーン)」「plum(プラム)」と呼ばれています。
スモモは日本スモモとヨーロッパスモモの2種類があります。
耐寒性はモモよりも強いので、北海道から九州まで栽培は可能です。
酸っぱいモモのイメージが強いのは、完熟果が市販で出回っていないからです。
完熟果を味わえるのが、家庭果樹の醍醐味です。

1.暖かい地方では早生品種が適しています
2.完熟期が遅い品種は防風対策を行い、台風被害から守ります
3.寒冷地は開花時期に低温に当てないようにします
[スモモ 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
スモモは日本全国で栽培が可能です。
霜が降りず、収穫時期に雨が少ない気候が適しています。
・品種選び
日本スモモの多くは他の品種の花粉がないと結実しません。
受粉樹を選ぶ時は実がなるような組み合わせが重要です。
よく結実する組み合わせは、大石早生、ビューティー、
サンタローザ、ソルダムより2品種を選びます。
ビューティー×メスレー、ソルダム×メスレーは
結実しない組み合わせなので注意します。
スモモはウメの仲間なので、ウメ、モモ、アンズの花粉でも
実がなります。ヨーロッパスモモは日本スモモよりも
比較的1本で結実しやすい品種が多いです。
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花も美しく楽しめます
■植え付け
落葉した12月〜3月ごろが適しています。
開花時期が早いので、寒くなる前の12月がベストな時期です。
苗木は根を水につけて十分に吸水させます。
折れている根や太すぎる根を切り詰めます。
土は水はけ、水もちのよいものが適しています。
直径、深さとも40cmぐらいの植え穴を掘ります。
掘り出した土は二つに分け、そのひとつの半分に腐葉土をまぜ、
残りの半分に油かす、鶏ふんなどの堆肥をすき込みます。
腐葉土や油かすを混ぜた土を先に植え穴へ埋め直し、
次に何もしていない土を埋め戻します。
浅植えにならないよう根を広げるようにしてから、水を与えます。
苗の高さは70cmぐらい切り詰め、支柱を立てて固定します。
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青空に映える緑と赤です
■仕立て方
日本スモモは開心自然形、
ヨーロッパスモモは主幹形に仕立てるのが一般的です。
日本スモモは品種によって、樹勢や枝の伸び方の性質が違います。
「サンタローザ」のように木が直立しやすい種類は、
木が若いうちから夏に間引き剪定を行い、主枝は横に開くよう誘引していきます。
「ソルダム」のように木が開きやすい種類は、
冬に切り返し剪定を行い、枝に花芽が多く付くようにします。
■剪定
樹が休眠している冬の間に、不要な枝を切り戻します。
よい実をつける短果枝を発生するために
新梢の先端の1/3ぐらいを切り戻します。
場所は外を向いてしまっている芽の真上が適しています。
■栽培管理
・施肥
元肥として12月〜1月にかけて、牛ふんや油かすなどの有機質肥料を主に
果樹の周囲にまきてすき込みます。
果実を収穫後お礼肥として、9月ごろ化成肥料を施します。
窒素肥料が多すぎると枝ばかりが伸びてしまい、
花芽がつきにくくなるので注意します。
・受粉
日本スモモの多くは、自分の花粉では結実しません。
そこで同時期に開花する2種類以上の品種を植えるか、
あるいは確実に実をならすために人工受粉を行います。
人工受粉は、花粉を集めて筆で雌しべにつける方法と
違う品種の花を雌しべに直接つける方法があります。
ヨーロッパスモモはシュガープルーンのように、
1本で結実する品種もあります。しかし確実に実をつけるには、
人工授粉をした方が無難です。
・摘果
スモモの摘果は5月〜6月上旬に2回行います。
開花後40〜50日ほどたって実が親指ぐらいの大きさになったら、
1回目の摘果を行います。
2回目は1回目の半月後に摘果します。
大きいサイズのものは約10cmの間隔で1か所に1果、
中ぐらいのサイズで約8cmの間隔で1か所に1果、
小さいサイズで約5cmの間隔で1か所に2果残すようにします。
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スモモで果実酒♪
■収穫
日本スモモは7月中旬〜8月、ヨーロッパスモモは9月が収穫時期です。
収穫が早すぎると酸味が強いので、完熟してから収穫します。
スモモは完熟すると果肉が軟らかくなりやすいため、
店頭に並ぶものは、早目に収穫されています。
樹上で熟したスモモはモモのように甘みが強いです。
■病害虫
・黒斑病
湿度が高い梅雨の時期に葉や果実に斑点が発生し、実が割れてしまいます。
品種によって病気にかかりやすさが違い、
「ビューティー」はかかりやすく、「ソルダム」はかかりません。
対策としては風通しをよくします。
病気にかかってしまった部分は取り除き、焼却します。
・ふくろみ病
5月ごろ葉や果実がふくらみ出して、白い粉がふいたようになります。
対策としては萌芽前に薬をまきます。
・灰星病
実に斑点が現れ、腐ってしまう病気です。
被害にあってしまった実は処分します。袋がけが効果があります。
・シンクイムシ
6月〜9月に発生し、実に穴をあけて食害します。
袋がけを行い、防御します。
・アブラムシ
新芽が伸び出すころ発生し、葉が縮れてきます。
対処法は水で吹き飛ばすか、被害にあった部分を取り除きます。
■わかりやすい育て方
・スモモの育て方 鉢植え|湿気に弱いので注意します
・スモモ 収穫量を増やすには?
・スモモ 品種と授粉樹
・スモモ 剪定方法は? 図解