サクランボ、いちばん好きな果物です
サクランボとはサクラの果実の総称です。
そのうちの特にミザクラ類の果実を指します。
セイヨウミザクラとスミノミザクラの2種類があります。
完熟果は日持ちが悪いため、早く摘んで市販されています。
完熟させた実は果汁が多く、香りのよさは比べ物になりません。
宝石のように美しい実をならすサクランボは、
庭に植えたいと人気が高い果樹のひとつです。
しかし結実させるには、比較的技術が必要です。
栽培ポイント
1.根が広がらないよう工夫し、巨木にならないよう注意します
2.成熟期が梅雨と重なるので、裂果に注意します
3.過湿に弱いので、水やりは乾かし気味に与えます
[サクランボ 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
涼しく、成熟期に雨が少ない地域が適しています。
北海道、長野、山梨、山形、青森などが栽培しやすいです。
人気の佐藤錦
・品種選び
サクランボは多品種の花粉がないと受粉しません。
相性のよい品種を選ぶことが大切です。
基本は「ナポレオン」「佐藤錦」「高砂」の3品種を栽培するのが無難です。
「佐藤錦」と「南陽」は結実しない組み合わせなので注意します。
■植え付け
日当たりのよい場所を選び、水はけがよく肥沃な土を用意します。
関東より南の地域では11月下旬〜12月、北の地域では3月に植え付けます。
深さ、直径とも40cmぐらいの植え穴を掘ります。
掘り出した土は二つに分け、そのひとつの半分に腐葉土をまぜ、
残りの半分に鶏ふん、油かすなどの堆肥をすき込みます。
腐葉土や鶏ふんを混ぜた土を先に植え穴へ埋め直し、
次に何もしていない土を埋め戻します。
苗の高さは70cmぐらい切り詰め、支柱を立てて固定します。
水鉢を作ってから水をたっぷりと与えます。
花も楽しめます
■仕立て方
サクランボは枝が立ちやすく、樹が大きくなりやすい性質を持っています。
家庭ではコンパクトに仕立てるために枝を誘引し、
開心自然形や垣根仕立てがサクランボに適しています。
若い木のうちに樹形を作った方がよいです。
枝が伸びすぎてしまった時は、
太い根を根元から50cmほど残す、断根を行います。
■剪定
サクランボの剪定時期は1月〜2月ごろが適しています。
2年枝にたくさんの短果枝がつくと、実の収穫量が増えます。
このようにするには新梢(1年目)の先1/4ぐらいを芽の上で切り返します。
太い枝の剪定は、切り口から枯れ込みやすいので行いません。
6月〜7月にかけて新梢の先を摘み取る摘心も
花芽をつけさせるためには必要な作業です。
2〜3年実をつけた枝は、花芽がつかなくなってきます。
基部から切り、再度新梢が伸びるように剪定します。
■栽培管理
・施肥
葉が落ちたら元肥として12月〜1月にかけて、鶏ふんや油かすなど
有機質肥料を主に果樹の周囲にまきてすき込みます。
追肥として3月ごろ、化成肥料を少し施します。
7月中旬〜下旬の収穫後、礼肥として即効性がある化成肥料を施します。
・受粉
スィートチェリーは、多品種でも実がつかない場合があります。
相性のよい品種を近くに植えるか、人工授粉を行います。
綿棒を使うと確実ですが、本数が多い時は毛ばたきを使うと便利です。
晴れた暖かい日を選び、5分咲きと満開時と2回人工授粉を行います。
・摘果
1ヶ所に5個ぐらいの実がなります。
しかし摘果しないと実がちいさくなってしまうので、
形が悪いもの、小さいものを取り除き3個ぐらい残すようにします。
人工授粉を5分咲きと満開時、2回すると良いです
■収穫
収穫時期は6月中旬〜7月で品種によって異なります。
果実が割れてしまわないよう、梅雨の時期はビニールシートなどで
雨が直接当たらないよう工夫が必要です。
開花して50日ほどで熟します。
鳥に食べられないようネットで覆うことが必須です。
■病害虫
・コスカシバ
5月〜6月に発生し、幼虫が幹や枝を食害して木を弱らせます。
枝の樹脂の塊のなかに、虫の糞が混じっていたらコスカシバが原因です。
対処法は食害された部分を削り、幼虫を探して殺します。
・炭そ病
雨が多い6月〜7月、9月〜10月にかけてごろ
果実や枝、葉に黒い円形の斑点ができてしまい、
症状がひどいと実が落ちてしまいます。
休眠期と4月中旬に開花直前にトップジンM水和剤を予防散布します。
枯れてしまった芽や葉は早目に焼却処分します。
・ハダニ
5月下旬ごろから葉の裏に寄生し、樹液を吸います。
対処方法は乾燥を好むので、強い水圧で吹き飛ばしてしまいます。