金冠とも書き幸運をもたらす縁起の良い木です
キンカンは中国産の果物です。
耐寒性は温州ュウミカンと同じぐらいあり、暑さにも強い果樹です。
果実は10〜20グラムと小ぶりで、皮ごと食べることができます。
ビタミンCを多く含むので、風邪予防にもつながります。
香りが高く甘い果実を楽しむことはもちろん、
刈り込みにも耐えるので生け垣にも利用できます。
年に3回咲く花と黄色い実が美しく、鑑賞が楽しめます。
自家受粉をしてくれ、病害虫にも強いので育てやすい柑橘類です。
具体的な育て方を、分かりやすくご紹介します。
花も可憐です
栽培ポイント
1.寒さ、病害虫に強いので初心者にも育てやすいです
2.やや日陰でも大丈夫ですが、保水性がある土壌を好みます
3.暖かい地方ほど、質の良い果実を収穫できます
[キンカン 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
関東以西の地域が適しています。
ただし東北地方でも暖かい地域だったら栽培可能です。
・品種選び
キンカンは1本でも実をならすので、2品種用意する必要はありません。
代表的な品種「寧波キンカン」はトゲが少なく、
隔年結果になりにくいし、甘みが強いのでおすすめです。
500円玉ほどの大きさに育つ「大実キンカン」も人気があります。
■植え付け
3月〜4月に水もち、水はけがよい場所にに植え付けます。
寒い時期は北風が当たらない場所を選びます。
深さ、直径とも40c前後の植え穴を掘ります。
掘り上げた土の半分に腐葉土を混ぜ、
残りの半分に油かす、牛ふん、堆肥などを混ぜ先に埋め戻し、
次に腐葉土だけを混ぜた土を入れます。
苗の根を四方に広げ、残りの土をかけます。
苗の周りに溝を掘り、そこに水をたっぷりと与えます。
こんなに実がなったらどうします?
■仕立て方
キンカンは自然な樹形を生かせる、ほうき仕立てが適しています。
植え付けをした春に、背丈50cmぐらいで切り戻します。
1年目の春は新梢の1/3ぐらいを切り戻します。
2年目の春は1年目と同様、新梢の1/3ぐらいを切り戻します。
実はできてもならさないで、そのまま放置します。
混みいった枝は、間引き剪定をおこないます。
3年目以降は樹形が整ってきます。
風通しをよくするために、ヒコバエや車枝などは間引き剪定をおこないます。
キンカンの仕立て方
■剪定
キンカンは大きく生長して樹形が乱れることがありません。
横にもあまり広がらず、自然にまとまりやすい性質です。
細い枝が密集して生えてくるので、
樹冠内に光が入るよう、間引き剪定を行います。
■栽培管理
・施肥
全体に葉が黄色い時は、肥料が足りないサインです。
元肥は3月に油かす、堆肥などの有機質肥料を与えます。
秋枝の生長が終わった10月ごろ、
追肥は即効性がある化成肥料を与えます。
・受粉
キンカンの花は5月、8月、10月と年3回咲きます。
1本で結実するので、人工授粉の必要はありません。
しかし実がよくならない時は、
綿棒で花の中を軽く触って人工授粉させます。
■果実管理
・摘果
キンカンはもともとたくさん実がつく性質を持っているので、
神経質になる必要はありません。
傷がついてしまったり、遅く生長して大きくならなかった実を
摘果するようにします。
甘露煮、美味です
■収穫
キンカンの実が黄色から濃い山吹色に変わった時が
収穫に適しており、12月下旬〜2月ぐらいです。
熟したものから収穫し、生で食べたり、ジャム、
甘露煮などを作る食材になります。
■病害虫
・アブラムシ
新芽が伸び出す時期に発生します。
早期発見できるよう注意し、見かけたら水で吹き飛ばします。
・カイガラムシ
枝葉に寄生し枝を枯らせたり、すす病の原因になります。
対処法はブラシでこすり飛ばします。
・アゲハチョウの幼虫
苗木や若い木が被害にあいやすいです。
葉を食べて丸坊主にしてしまうので葉裏をチェックして、
見つけ次第すぐ外して処分します。
■キンカンのわかりやすい育て方
・キンカンの育て方 鉢植え|実も花も楽しめ美味です
・キンカン 実がならない理由は?
・キンカン 剪定方法は? 図解
・キンカン 肥料の与え方は?
・キンカン鉢植えの植え替え時期と方法
・キンカンの栄養
・キンカン 種からの育て方
・キンカンの種類は?
・キンカン 枯れる原因は?
・キンカンの病害虫は?