
ジャガイモ畑
ジャガイモは、初心者の方でも育てやすい野菜です。
地植えはもちろん、袋栽培、プランターでも収量が上がります。
掘り立てのジャガイモのおいしさは、驚くほど味わいがあります。

1.信頼できるお店で無菌のタネイモを入手します
2.土に茎葉が残るため、連作はしません
3.芽かきをして実の質を高くします
ジャガイモの栽培は北海道が有名で、
15〜20℃の冷涼な気候を好み、
昼夜の温度差があると良く成長しますが、
適応力があるため、暖地でも育てられます。
植え付けから約90日と、イモ類のなかでは、
比較的短期間で収穫できるのが特徴です。
ナス科の植物の連作は避けます。
■品種
スーパーでもよく見かける多産の早生種「男爵」や、
中生種「メークイン」が育てやすいでしょう。
最近はジャガイモの種類が非常に増えましたので、
「キタアカリ」や「インカのめざめ」など、
好みの品種を植えても良いでしょう。
暖地の秋植えなら、晩生種の「農林1号」「デジマ」、
などが良いでしょう。
■栽培管理
スーパーで買ったジャガイモを植え付けても、
芽が出ないように処理されていたり、ウイルスを持っていて、
うまく育たず収穫できないことが多いです。
タネイモと呼ばれる、種苗検定済みの、
無菌のイモを購入し、植え付けましょう。
夏の暑さで成長が止まってしまうため、
春植えで夏に収穫するか、8月に植え付けて、
11月に収穫する秋植えにします。
春植えの方が病害が少ないので育てやすく収量が多いです。
標準地で、2月下旬から3月上旬に植え付けます。
・植え場所
水はけ、水もちのよい砂質土か粘質土を好みますが、
特に土質にはこだわりません。
酸性土への適応力もあるので、
どこにでも植え付けることができます。
土は深めに良く耕して、幅60〜70cmの畝を作ります。
水はけの悪い場所では畝を高くします。
深さ20cmの植え溝を掘り、元肥として、
堆肥や腐葉土などを1株あたり2握りとなるように施します。
元肥と底土を混ぜ、掘り上げた土を、
5〜6cmの厚さになるように埋め戻して間土とします。

ジャガイモ、元気良く育っています
*間土(まつち)
タネイモなどを植え溝に植え付けたりする時、
根が直接肥料などにふれないように、緩衝役を果す土のこと。
・タネイモ
タネイモの良し悪しにより収量が左右されます。
タネイモは、親株からウイルスが入らないよう、
タネイモ用に栽培されます。
信頼のおける園芸店で購入します。
タネイモは、植え付けの1〜2日前に、
必ず芽を付けて30〜40gに切り分けます。
*秋植えは切らずに、小さいイモを丸のまま植えます。
・植え付け
霜がおりなくなったら早めに、
3月までにタネイモを植え付けます。
株間30cmで、間土の上にタネイモを置きます。
7〜8cmの厚さになるよう覆土をし、
軽く踏み固めるように押さえます。

メークインの花
・土寄せと保護
芽が出てくるまでの1ヶ月と、発芽後の幼苗は、
遅霜対策が大切です。
気温が安定する4月下旬頃までは、軽く土寄せし、
発芽したら芽の上にも土をかぶせたり、
もみ殻や切りわら、腐葉土などを厚くかけたりして、
防寒対策とします。
・芽かき
1株から5〜6本も芽が伸びてきますが、
そのまま育てると養分が分散するため、
芽かきをします。
発芽して1ヶ月ほどして芽が10cmほどになったら、
弱い芽をかきとって=芽かき、1株当たり1〜2本にします。
芽かきをするとき、芽を引っ張ると、
元のタネイモは同じですから、
タネイモごと抜けることがあります。
残す芽の根元を押さえ、かき取る芽は横に倒すように、
引っ張り、ていねいに取ります。
地上部だけでなく、付け根から抜き取るようにします。
・追肥と土寄せ
芽かき後と、その2週間後に、追肥をして中耕、
土寄せをします。
1株あたり化成肥料1握りを株のまわりにばらまき、
根を傷めないように表土と混ぜます。
その後、イモが表土上に出ると緑色になってしまうため、
土寄せをします。
畝間の土を掘り、株元に積み上げるように寄せます。
2回の土寄せで、3cmくらい高くなるようにします。
収穫前にも3回目の土寄せをし、
このときは1回で3cmくらい高くなるようにします。
*ジャガイモの毒性
ジャガイモの芽や緑色になった部分は、
ソラニン(ポテトグリコアルカロイド=PGA)、
という有毒物質を含みます。
厚めに皮をむいて加熱して食べれば大丈夫でが、
少しでも気分が悪くなった場合は、食べないようにしましょう。

ジャガイモの花は愛らしいです

ジャガイモの収穫は楽しみ♪

こんな丸々したジャガイモがとれました
■収穫
6〜7月頃、茎葉が黄色く枯れ始めたら、
ためしに1株掘ってみて大きさを確認します。
イモが十分大きくなっていたら、
株ごと引き抜いて収穫します。
取り残しのないように、土の中を確認しましょう。
掘り出すのは天気の良い日を選び、半日ほど
天日にさらしておきます。
長く日にさらすとイモが緑色になってくるので、
土が乾いたら、箱などに重ならないように、
並べて日陰に保存します。
雨が続いているときに収穫すると、
イモが腐りやすくなるので注意します。

左からインカのめざめ、メークイン、シャドークイーン、の収穫
■病害虫
ウイルス病やそうか病は、
無菌のタネイモを購入して予防できます。
収穫後の茎や根が土に残ったままだと
これらの病気が発生しやすくなるため、
連作はしないようにします。
収穫期ごろ長雨が続くと、
株が腐る疫病が発生しやすくなります。
ダイセン水和剤や、銅水和剤を予防散布します。
害虫では、茎葉を食害するテントウムシダマシが、
大敵です。
ジャガイモを食い荒らした後は、
ナスやキュウリに移っていくため、
早めに防除します。
■ジャガイモのわかりやすい育て方
・ジャガイモの育て方|イモを大きくおいしく栽培するコツ!
・ジャガイモのプランター栽培|ウイルス病予防のためにタネイモを使用
・新ジャガイモとは?|ビタミン ミネラルたっぷり!
・浴光催芽|ジャガイモの植え付け遅れの対処法
・苗つくりのコツ|おいしい野菜はじょうぶな苗から
・ジャガイモの肥料は?
オルトラン、ダイアジノン、ディプテレックスなどの、
散布が有効で、アブラムシの防除にも効果があります。
■ジャガイモの秋植え
ジャガイモの秋づくりは春づくりよりも、
病害の被害にあいやすいですが、
トウモロコシやエダマメの後作に栽培でき、
畑を有効利用でき、イモの味わいが濃いのが魅力です。
8月末から9月上旬の雨後の涼しい時に植え付けます。
基本的な育て方は、春づくりと同様です。
ジャガイモの花が咲くころ、
2回目の追肥と土寄せを行いますが、
春づくりより多めに土を寄せます。
この作業が遅れると、台風などで葉が傷みやすくなるので
早めに行いましょう。
茎葉が枯れ始める12月上旬の、天気の良い日に収穫します。
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