
カボチャの花がたくさん!

カボチャ、いよいよ収穫ですね

1.その地域に適した品種を選びます
2.タネは直まきし、環境に慣らします
3.仕立て方を工夫すれば、やせ地でも栽培できます
カボチャはつるが広がるので場所を取りますが、
ある程度のスペースさえあれば土質を選ばず、
やせ地でも栽培できます。
中南米の原産なので、十分に暖かくなってから、
タネまきすれば、初心者でもまず失敗しません。
■品種
現在食材として出回っているのは、
ほとんどが西洋カボチャとその交配種です。
西洋カボチャは果皮がなめらかで、
ほくほくした味わいが特徴です。
「えびす」「栗えびす」「みやこ」などが、
育てやすいでしょう。
一方、果皮に深く溝が入り、
ねっとりした味わいの日本カボチャは、
あまり市販されていない分、
作りがいがあります。
日本カボチャは甘みが少なくて水っぽいため、
甘味が強くて調理しやすい西洋カボチャが好まれましたが、
日本カボチャと醤油の相性はバツグンなため、
煮物などには最高です。
「はやと」「会津早生」「白菊座」「黒皮」などがあります。
つるをほとんど伸ばさない品種もあります。
節間が詰まって子づるも少なく、実は株元につきます。
「つるなしやっこ」「利休」などの品種があります。
■栽培管理
カボチャはつるを地面に広げながら生長していくため、
場所をとるように思われますが、
支柱や柵を立て、立体的に作ることもできます。
庭の隅に植えて垣根や塀に這わせたりなど、
工夫次第で狭いスペースでも栽培できます。
・まき場所
カボチャがやせ地でも砂地でも育つのは、
土から肥料分を吸収する力が強いためです。
初めて野菜を作るような場所でなければ、
元肥もそれほど必要ありません。
タネまきの1〜2週間前に、1u当たり、
2握りの苦土石灰をまいてよく耕しておきます。
深さ30cm、直径30cmくらいの穴を掘りますが、
2株以上作るときは最低でも90×120cmの間隔、
西洋カボチャなら更に広く間隔を取ります。
化成肥料と鶏ふん、堆肥などを2握り入れ、
掘り上げた土を埋め戻します。
このとき、周囲の土を寄せながら、2〜3cm高く、
盛り上げておきます。
・タネまきと間引き
3月末〜4月中旬にタネまきします。
土を盛り上げた上に4〜5粒ずつまいて、
1〜2cm覆土をし、たっぷり水やりをします。
さらに、支柱を立ててビニールで覆うか、
市販のホットキャップをかぶせます。
芽が出てきたら、混み合ったところを間引きながら、
3〜4週間で1本にします。
最期の1本が大きくなって窮屈になるまで、
作業後は再びホットキャップをかぶせておきます。
ホットキャップは出来るだけ長くかぶせておき、
徐々に外気に慣らしていくようにします。
・植え付け
苗から育てる場合は、
本葉3〜4枚のしっかりした苗を選び、
タネまき準備を同じようにして、
土を盛り上げた上へ、根をほぐして植え付けます。
ホットキャップがつかえるくらいになるまで、
かぶせて育てます。
・追肥と敷きわら(1回目)
ホットキャップをはずしたら、盛り上げた土の周囲に、
薄く化成肥料などを追肥します。
その周りの土を軽く中耕して土寄せしたら、
根元全体を覆うように敷きわらをします。
・つるの整枝
西洋カボチャは、親づると一部の子づるの先端近くに、
実をつけるので、摘芯は行いません。
親づるはそのまま伸ばします。
子づるはあまりでませんが、数が多いようなら、
元気のよい2〜3本以外を摘み取ります。
日本カボチャは子づるがよく出るので、
本葉5〜6枚で親づるを摘芯します。
元気のよい子づる2〜3本にして、
この子づるを四方に広げて伸ばします。
西洋カボチャも日本カボチャも、
つるが絡まないよう誘引します。
・人工授粉
カボチャは雄花、雌花に分かれて花が咲く雌雄異花です。
通常は昆虫などによって受粉しますが、
昆虫が来ないような場所や、雨や低温の影響で、
落花するような場合は、受粉が行われません。
人工授粉する場合は、早朝に摘んだ雄花の花粉を、
雌花の柱頭にこすりつけるようにします。
開花後時間の経過とともに花粉の発芽力が低下するため、
作業は遅くとも午前9時ごろまで終わらせます。
・追肥と敷きわら(2回目)
1回目の追肥から10日もすると、
1番果が握りこぶし大になるので、
これを目安に2回目の追肥をします。
化成肥料を1株に1握りずつ、つるの先端付近に施し、
1回目と同様に中耕、土寄せをします。
その後、再び敷きわらをしますが、つるが広がっているので、
敷きわらの範囲を広げます。
わらの上なら実が傷ついたり汚れたりすることも少なく、
病害虫の防除にもなります。
そのため、出来るだけ厚めに敷きます。
実が大きくなってきたら、傾いている実をすわり直させる、
玉直しの作業も行います。
・水やり
甘いカボチャを作りたいときには、乾かし気味に育てます。

京野菜でも人気の鹿ケ谷カボチャ
■収穫
西洋カボチャは開花後、45〜50日ほどして、
果皮がかたくなったら収穫します。
ヘタの部分がコルクのように変化し、
実の表面の光沢がなくなった頃を目安とします。
日本カボチャは開花後、1ヶ月を目安とし、
果柄に縦の亀裂ができはじめ、
果実の表面の光沢が失われた頃、収穫します。
果柄を少しつけてハサミで切り取ります。
収穫後は7〜10日ほど、風通しのよい場所に、
置いておいた方が実が甘くなります。
これは、果実に蓄積されたデンプンが、
ゆっくり時間をかけて糖に変化するためです。
傷のないものなら、そのまま室内で2〜3ヶ月はもちます。
冷蔵庫に入れると低温障害を起こすため、
室温で保存します。
■病害虫
カボチャの病害虫は少なく、
放任していてもうまく収穫できるほうです。
ただし、ウリ科の野菜に共通して気をつけたいのは、
タネバエの幼虫で、
発芽したところを狙って食べます。
タネに入り込み、発芽前の子葉や茎を食べたり、
苗の茎の中に入って枯らすこともあります。
ウジムシ状の幼虫は、見つけ次第取り除きます。
ダイアジノン粒剤やダイシストン粒剤を、
予防散布としてタネまき前に土に混ぜておく方法もあります
>>カボチャのプランター栽培の方法はこちらです
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