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ハクサイとキャベツの畑


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ハクサイは、不織布で害虫を防ぎます


arrow46-011.gif栽培ポイント
1.寒さに向かう季節が作りやすいです
2.耐病性のある品種を選びましょう
3.タネまき適期を逃さずまきます
4.水はけよく、元肥はたっぷりと与えます

ハクサイは中国北部の原産のため、氷点下にも耐えるのですが、
その反面暑さには、かなり弱いです。
収穫時期の気温が15〜18℃くらいだと、うまく結球します。

生長が早い上、貯蔵ができるので、
冬のビタミン供給野菜としてぜひ育ててみてください。
家庭菜園のハクサイは、甘くてみずみずしいので、
お鍋はもちろん、サラダや漬物に最高です!


■品種

耐病性が高く、結球しやすい小型の早生種が作りやすいです。
最近は、芯が黄色くなる黄芯系の品種が主流となっています。

タネまきから55〜60日で収穫できる極早生種には、
黄芯系の「彩黄」、1玉1〜1.5kgで小振りな「青海」などがあります。

タネまきから65日前後で収穫できる早生種なら、
耐病性のある「富風」がお勧めです。
また、「耐病六十日」や「金将二号」は家庭菜園の定番品種です。


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育てやすい「耐病六十日」


■栽培管理

ハクサイは、成長初期は20℃くらい、
結球する頃は15℃くらいだとよく育つため、
夏の終わりにタネまきをして、
晩秋から冬にかけて収穫するのが作りやすいでしょう。
タネまきがあまり遅れると、結球しにくくなります。

春まき(3月下旬〜4月上旬)もできますが、
発芽温度や生育温度を保つための保温設備と、
ビニールトンネルが必要になり、難易度も高くなります。


・まき時期
秋まきの場合、関東付近では8月下旬〜9月初旬、
寒冷地では8月中旬がまきどきになります。
まく時期が早すぎると暑さや病害虫の発生で成長が妨げられます。

また、まく時期が遅すぎると、結球する前に気温が下がりすぎて、
大きくならなかったり、結球がうまくいかなかったりします。
種袋にタネまきから収穫までの日数が示されているので、
それを元にまき時を決めましょう。

・まき場所
タネまきの日を決めたら、2週間前に苦土石灰を1uあたり2握りまき、
深さ20cmくらいまでよく耕しておきます。

ハクサイは連作障害を起こすため、
1度栽培したら3〜4年はあけるようにします。

タネまき1週間前になったら、元肥を1u当たり堆肥バケツ1杯、
化成肥料2握りを施し、幅60cmのベッド畝を作ります。
水はけの悪い場所ではさらに高畝にします。

・タネまき
雨が降った後か、あらかじめたっぷり水やりをしてからタネをまきます。
株間40〜45cm間隔でビール瓶の底などを押し付けてまき穴を作り、
そこに1ヶ所当たり5〜6粒ずつまきます。

タネが隠れる程度に軽く覆土して手で押さえて、
タネと土を密着させ、水やりをします。

また、苗を作ってから植え替える方法もあります。
ポリポットに、堆肥と畑土を半々に混ぜたものに、
石灰を加えたものを用土とし、
4号ポリポットなら5〜6粒を目安にまきます。

覆土後、オルトラン粒剤の散布や、
寒冷紗をかけると害虫の予防になります。
寒冷紗をかけると、暑さよけや水切れしにくくなる効果もあります。

タネまき後20日前後で、
本葉4〜5枚に育ったら、畑に植え替えます。
植え穴を掘って、水をたっぷり注ぎます。
水が引いたら根鉢を崩さずに苗を植えつけ、
株元をしっかり押さえておきます。

苗の土と畑の土にすきまがあるとうまく育ちません。
苗を植えたら、その隙間をなくすために500mlくらいの水をやります。
このとき、埋め戻す土にオルトラン粒剤を、
少量混ぜておくと、アブラムシ防除になります。


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間引きながら苗を育てます


・間引き
本葉が1〜2枚になったら1回目に間引きを行い、1ヶ所当たり3〜4株にします。
本葉が3〜4枚で2〜3株、本葉5〜6枚で1株にします。

元気のない苗や病害虫に侵された苗、
葉の緑色が濃すぎたり、赤みがかっているもの、
葉柄が細長く青っぽいもの、
本葉が細く立っているものなどを間引いていきます。

また、小さすぎたり大きすぎたりするものも間引き、
株の大きさをそろえると平均して元気に育ちます。

・追肥と土寄せ
3回目の最後の間引きを終えたら、
化成肥料を1株に1握りほど株の周りにまいて、軽く土寄せをします。
このとき、傾いた苗はまっすぐに直しておきましょう。
まっすぐに直さないと、傾いたまま結球して形がいびつになってしまいます。

追肥と土寄せは、2週間おきに合計2〜3回施します。
土寄せは、根を切ったりしないように軽く水平にクワを入れますが、
最後の追肥の頃には細根がたくさん張っているので、
根を傷めないように路肩に肥料をまくだけで、クワは入れなくて良いです。

・薬剤散布
葉数が増え、結球に向けて芯の葉がまき、
外側の葉がたれるようになってくると、病害虫の発生も増えてきます。
べと病、白斑病などの殺菌剤を1〜2回、定期散布します。
結球し始めても、散布は可能です。

・霜よけ
11月下旬、初霜がおりたら葉を結束します。
外葉で株を包み込むように丸め、
上のほうをまとめて紐などで縛ります。
虫を入れないように気をつけましょう。

寒さが厳しいときは、
北風をよけるために笹やよしずを立てたり、
新聞紙でスッポリくるんでしばっておきます。

霜よけをすると収穫時期を延ばすことができるので、
食べきれない分は切り取らず、このままでもよいでしょう。

・水やり
乾燥が激しい場合、たっぷりと水やりします。


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ハクサイが巻いてくるとおいしそうです


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出荷を待つハクサイたち


■収穫

12月に入ったら、タネ袋に記載された収穫日数を目安に、
かたく結球しているものから切り取って収穫します。
タネまきが遅いと花芽分化を起こしてしまい、
葉が不足して結球しないままになってしまいます。

頂部を押さえたとき、がっちりした感触があったら、
ヒモをはずして外葉を1回りはずし、
株元にナイフを入れて切り離します。

しっかり結球した株なら、外葉ごと新聞紙でくるみ、
株元に土寄せしておけば、収穫を延ばすことができます。
このとき、結球が不十分だと中心が腐敗してくるので気をつけます。

また、収穫してからでも、外葉ごと4〜5日陰干し、
新聞紙で包んで凍らない程度の冷暗所においておけば、
2月ごろまで保存することができます。


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ミルフィーユ鍋にしても美味しいです


■病虫害

ハクサイはアブラナ科の植物ですが、
アブラナ科の大敵である根コブ病は、
耐病性品種を選ぶことで、かなり発生が抑えられます。

しかし、土がじめじめしていると、
結球する頃に地際から枯れて中が腐る軟腐病は、
耐病性品種でも抵抗できません。

軟腐病は連作障害のひとつでもあるため、
予防するにはアブラナ科の連作と早まきを避け、
水はけを良くすることです。
また、白斑病も連作で起こります。

害虫では、アブラムシがつきやすく、
モザイク病まで媒介します。
ほかに、アオムシ、ヨトウムシ、シンクイムシなどの、
食害もありますが、発芽直後に薬剤を予防散布しておくと防除になります。
また、薬剤は定期的に散布し、防除します。



■ハクサイのわかりやすい育て方

・水はけの悪い土地でハクサイを栽培するには?
・ハクサイの収穫と保存方法
・ハクサイの結球を大きくするコツは?
・ハクサイの育て方(地植え)|外葉と結球を大きく栽培します
・ハクサイのプランター育て方|タネまきが遅れないよう栽培
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