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カンアオイは日本全国で見られ、特に関東以西に多く自生しています


・学名 Asarum
・科名 ウマノスズクサ科
・属名 カンアオイ属
・開花期 10月〜4月(種類によって異なる)
・難易度 初級者〜中級者向き
・楽しみ方 鉢植え、庭植え



[カンアオイの育て方]


■カンアオイの特徴

カンアオイは、主に照葉樹林の林床に生え、ハート形の葉を地に伏せるように広げ、
冬から春にかけて地際に萼片が筒状になった花を咲かせます。

常緑性で、花が咲き終わると新しい葉が伸びて、古い葉と交代します。

美しい葉紋は日陰の庭にもよく似合い、
シェードプランツとしても人気が高い山野草です。

しかし、人里近い野山に多く自生しているため、
開発やマニアの乱獲などで激減し、
さらに成長が非常に遅い植物のため、絶滅が危惧されています。


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カントウカンアオイ


■栽培適地と品種

・栽培適地
落葉樹林下で、落ち葉に埋もれるように自生しているため、
直射光の当たらない木陰の下や、石組みの脇などが適しています。

水はけの良い用土に、腐葉土をすきこんで植え付けます。

繁殖力の強い品種は、日陰のグランドカバーにも利用できます。

・用土と鉢
乾燥に弱いですが、過湿にも弱い植物です。
適湿を保つため、水はけの良い用土に植え付けます。

桐生砂(または日向土)4:鹿沼土4:赤球土1:腐葉土1の、
割合で混合した用土などが良いでしょう。

鉢は、地上部に比して根が太く、大きいので、深鉢に植え付けます。
通気性の良い 山草鉢や、駄温鉢が向いています。

カントウアオイ、オナガカンアオイ、コシノカンアオイなら
1株を4〜5号鉢に、

ヒメカンアオイやフタバアオイは、
浅鉢に群生するように作ると見栄えがします。

・主な仲間
カンアオイは東アジアを中心に分布する多年草で、100種弱が知られています。
日本にはその半数近くが自生しています。

花は地面近くに咲くので、種子の散布範囲が狭く、
産地ごとの変種が多く、それぞれ個性的です。

葉や花の変化、斑入り葉なども多く見られ、
コレクションの対象としても人気を集めています。

青軸で葉紋のきれいなものは「細辛(さいしん)」と呼ばれ、
古典園芸植物として親しまれています。

カンアオイは”アオイ”と名前は付いていますが、アオイ科ではありません。
アオイ科の植物は、オクラやハイビスカス、ワタなどです。

カンアオイ(寒葵)という名前の由来も、アオイの葉に似ていて、
冬でも常緑であることからです。


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フタバアオイ


・品種
フタバアオイは、光沢のある緑色の葉が美しく、
徳川の紋所として有名な「三葉葵」のデザインの元となっています。

京都の葵祭にもカモアオイとして使われ、古くから日本人に親しまれてきました。
フタバアオイは冬は葉を落として休眠するため、
枯れてしまったと勘違いしないようにしましょう。

ランヨウアオイは、関東地方南部の山地に自生しているカンアオイです。
口紅の目立つ、すっきりした雰囲気の花を咲かせます。

ヒメカンアオイは本州中部から四国にかけて分布する小型種です。
丸みのある葉が愛らしく、小鉢でも楽しめます。

タイリンアオイは、名前の通り葉も花も大型の、大型種です。
大型種のため見栄えがする上、丈夫で鉢植えでも庭植えでも楽しめ、
多くの品種があります。

ハツユキカンアオイは、徳之島原産の小型希少種です。
白い花筒に、口紅色の花が趣があります。
別名を、タニムラアオイとも呼ばれます。

パンダカンアオイは、中国原産の大型種です。
花は、白いベースに黒の縁取りがあり、この対比がパンダに似ているため
パンダカンアオイと名付けられました。
インパクトのある花姿に、命名の妙も加わって、人気がある品種です。


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パンダカンアオイ


■植え付け・植え替え

・植え付け
9月中旬〜10月中旬が植え付け適期です。

根が鉢内で重なり合わないように、満遍なく行き渡らせて配置し、
株元を少し埋め気味に植え付けます。

葉がばらけるので、「葉受けリング」をさすと、落ち着きやすいです。

・植え替え
植え替え適期は、植え付け同様9月中旬〜10月中旬です。

鉢から株を抜いたら、絡んだ根をほぐし、傷んだ根を整理して、
先端を1/3程カットして、根の間に用土を入れやすくしてあげます。

根の生長が早いため、1〜2年に1度は植え替えを行います。


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サンインカンアオイ


■栽培管理

日陰の棚下や、木陰などで直射日光を避け、
ゆるく風の通る所で蒸れを防いで管理します。
日が強いと萎縮して、葉の縁から枯れて傷んでしまいます。

ただし、芽出しの頃は少し明るめの日陰に移すと、葉姿が整います。
南方種は、冬はハウスやフレームなどで保護します。

種を取らない場合は、咲き終わった萼筒を切り取り、肥培に努めます。

・水やり
多湿を嫌うため、鉢土が乾いたら水やりをします。
ただし、乾燥も嫌うため、乾燥しすぎないよう注意します。

・追肥
春と秋に有機性固形肥料を鉢の上隅2〜3カ所に置き肥します。
さらに、生育期は液体肥料を月に2回与えます。


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タマノカンアオイ

■増やし方

植え替え時の株分け、根伏せのほか、実生でも増やします。

分岐した地下茎に根が付いていれば、株分けが可能です。
長い根が3本以上つくよう茎を節で分けて、植え付けます。

地下茎が元気なら、植え替え時に根伏せも可能です。
根をつけて地下茎を切り取り、1cmほど覆土して植え付けると、
半年ほどで発芽します。

実生の場合は、花後、基部がふくらんで枯れたら、
中から種を取り出して、採りまきします。
発芽は翌春になります。


■病害虫

多湿により、根腐れが発生することがあります。
高温期には、軟腐病に注意します。

害虫は、葉がよじれたらアブラムシの仕業です。
ナメクジやヨトウムシの食害にも注意します。

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