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エンレイソウは湿り気のある谷間や落葉樹林の下に、
ひっそりとたたずむように生えています(画像はオオバナエンレイソウ)


・学名 Trillium
・科名 シュロソウ科(ユリ科)
・属名 エンレイソウ属
・開花期 4月下旬〜5月
・休眠期 8月中旬〜3月中旬
・難易度 中級者向き
・楽しみ方 鉢植え、庭植え、茶花



[エンレイソウの育て方]


■エンレイソウの特徴

エンレイソウ(延齢草)の茎は直立して太く、高さ20〜30cmで、
根茎から立ち上がります。

葉は幅・長さとも7〜15cmの広卵型で、3枚が輪生し、その中心に
3枚弁の小さな花を咲かせます。

属名トリリウムの語源は、「3を基数にしたユリ」の意味です。
葉は3枚で、花は3枚の萼片に3枚の花びら。

花の中央には3室からなる雌しべがあり、花柱は3裂。
雌しべの周囲には、内側に3本と、
外側に3本の雄しべが円を描いているように並んでいます。

このように、その名の通りほとんどの器官が3の基数からなっています。

時に群生する深山の代表的な春の花です。


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アオミノエンレイソウ


■栽培適地と品種

・栽培適地
庭植えの場合は、落葉樹の下に鉢植え用土と腐葉土を混ぜ込み、
20cmほど土を持り上げてから植え付けます。

・用土と鉢
水はけがよく、有機質の入った土を好みます。
鹿沼土4・赤玉土(小)2・腐葉土2の割合などで用土を調製します。

市販の樹皮ベースの培養土も利用できます。
鉢は、深めの4号〜6号の鉢が良いでしょう。

・主な仲間
北半球に約40種が分布します。
日本では、北海道から九州まで数種類が分布しています。

北アメリカには特に多くの種類が見られ、小型種から大型種まで多彩で、
日本産種よりも比較的栽培しやすいものが多く、
しかも花も大きくて美しく、華やかなものも多く、人気があります。

似た仲間のキヌガサソウやツクバネソウも、
エンレイソウ同様に栽培が可能です。

キヌガサソウは、大きな葉を輪生させて、白い多弁花を咲かせます。
調子が悪いと芽を出さないため、難易度はエンレイソウより高いです。

・品種
オオバナノエンレイソウは、北海道〜本州北部の林床に生え、
春に白花を咲かせます。
花後の置肥が効果的です。

コジマエンレイソウは、エンレイソウの雑種が起源と言われています。
ミヤマエンレイソウは、2〜3cmの白花を、横向きに咲かせます。

トリリウム・エレクツムは、北米産の大型種です。
和名のアカバナエンレイソウの名の通り基本の色は赤紫色ですが、
色のバリエーションが豊富です。

日本で最も人気があるのは、グランデフクロルム(和名:タイリンエンレイソウ)で、
八重咲きと桃花タイプがあります。


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タイリンエンレイソウの八重


■植え付け・植え替え

・植え付け
植え付け適期は、芽だし前後の3月中旬〜4月上旬か、
休眠中の9月下旬〜11月上旬です。

太い地下茎の先端に芽がありますが、
柔らかく、傷みやすいので取り扱いには注意します。

鉢にネットとゴロ土をセットして、用土に緩効性化成肥料を、
3〜5g混ぜてから植え付けます。

芽の先端を2〜3cm埋めるように植え込み、軽く水を与え、
2日後くらいにたっぷりと水を与えます。

秋に植え付けを行った場合、冬期に凍結する地域では、
フレームなどでの保護が必要です。

・植え替え
植え付け同様に行います。

株を取り出したら、傷んで腐った地下茎や根をカットしてから植え付けます。
地下茎が傷むと腐りやすいため、傷んだ部分は丹念に取り除きます。

植え替えは、2年に1回を目安に行います。


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コジマエンレイソウ


■栽培管理

葉をできるだけ長く保たせるのが、栽培のコツです。

基本的に日陰で管理しますが、芽出しは30%程度の遮光で、
間延びしないように育てます。

夏は蒸れて葉が傷みやすいので、50〜70%遮光して、
涼しく管理します。

棚下で風が緩く流れる場所が理想的です。
秋は明るい日陰で芽の充実を図ります。

寒さには比較的強いですが、凍らせてしまうと根が傷みます。
冬は棚下か、凍らない程度の簡易フレームの日陰で、
凍結による芽の傷みを防ぎます。

種を取らないのであれば、枯れた花はこまめに摘み取り、
株の充実に努めます。

・水やり
1日1回、水やりをします。
梅雨時期など乾きにくいようでしたら、1日おきにします。

多湿は禁物ですが、乾きすぎにも注意します。

茎葉は折れたり傷んだりしやすいので、強い水流は避け、
なるべく葉にかからないようにします。

・追肥
エンレイソウは肥培が重要です。
植え付け時に、根の周囲に元肥を施します。

芽が出始めたら置き肥をし、葉のある間は液体肥料を
月1〜2回施します。


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エンレイソウの種


■増やし方

植え替え時に株分けで増やせます。
自然に分かれていれば、それを分けます。

地下茎に芽数があれば、節をナイフでカットして分けます。
ただし、あまり小さく分けすぎないようにします。
できれば5芽以上付けて分割します。

種が実れば実生も可能ですが、発芽に1年、
開花までは6〜8年かかります。
9月〜11月が種まき適期です。

ちなみに種は食べることができます。


■病害虫

病気は、多湿による軟腐病、白絹病などが見られます。

害虫は、シンクイムシ、ナメクジ、ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニ、
などに注意します。

アブラムシは古い歯ブラシでこすり落とします。

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