
ヒオウギアヤメ
・学名 Iris
・科名 アヤメ科
・属名 アヤメ属
・開花期 冬に休眠するタイプ:4月中旬〜5月,夏に休眠するタイプ:4月中旬〜5月中旬
・休眠期 冬に休眠するタイプ:11月下旬〜3月下旬,夏に休眠するタイプ:6月中旬〜9月中旬
・難易度 初〜中級者向き
・楽しみ方 鉢植え、石づけ、寄せ植え、ロックガーデン、庭植え、茶花
[アヤメの育て方]
■アヤメの特徴
アヤメという名前は、花弁の付け根に、
網目(文目)模様があることから名付けられました。
世界には多種多様な種類が見られますが、
日本で自生しているアヤメの仲間はごくわずかです。
湿原にはカキツバタ、ノハナショウブがあり、
乾燥地にはアヤメとエヒメアヤメがあります。
その中間的なところには、ヒオウギアヤメが自生します。
シャガも生えていますが、中国から渡来したもので日本産の山野草ではありません。
生育環境によって育ちかたや栽培方法が異なります。
アヤメの仲間というと、カキツバタやノハナショウブのイメージから、
湿原を連想することが多いですが、
世界的に見ると、乾燥地に生息する種類の方が多いのです。
また、男の子の節句に用いられるショウブは、
サトイモ科の植物で、アヤメとは別物です。
アヤメもショウブも、漢字で書くと「菖蒲」のため、紛らわしいですが、
葉が似ているだけで、ショウブの花はガマの穂のような黄色い花のため、
花を見ると、別の植物であることがすぐにわかります。
ただし、ハナショウブの方は、アヤメ科の植物ですので、ご注意ください。
「いずれアヤメかカキツバタ」と言われるように、アヤメとカキツバタは
よく似ていることで知られています。
アヤメはカキツバタと比較して、花弁の付け根に網目模様があること、
乾いた場所で育つこと、花幅が狭いこと、などで見分けます。

エヒメアヤメ
■栽培適地と品種
・栽培適地
湿地を好む種類以外は水はけの良い場所を好みます。
品種を問わず、風通しの良い場所が良いでしょう。
庭があれば、鉢よりも地植えの方が大きく、よく育ちます。
・用土と鉢
赤玉土4・日向砂4・腐葉土2の割合で混合した用土が良いでしょう。
球根の種や小型種は、水はけの良い用土が適しています。
鹿沼土5・軽石砂5などが良いでしょう。
カキツバタやノハナショウブは、発泡スチロールの深めの箱に、
2/3程度畑土を入れて水を張って栽培すると良いでしょう。
鉢で育てる場合は、5〜8号鉢に植え付け、腰水にします。
ヒメシャガは、5〜6号の浅鉢が良いでしょう。
エヒメアヤメは、浅鉢の方が見栄えがしますが、
栽培には深鉢が適しています。

カキツバタの群生

白のカキツバタ

カキツバタの実生
・主な仲間
水が好きな仲間には、カキツバタ、ノハナショウブ、ヒオウギアヤメなどや、
大型の海外種があります。
普通に栽培できるものは、アヤメ、ヒメシャガ、エヒメアヤメ、マンシュウコアヤメなどや、
欧米の小型種、夏に休眠する球根アイリス類、根茎をもつオンコキクルス類や、
ジュノー・アイリスグループなどがあります。

ノハナショウブ

ノハナショウブの実生
・品種
水を好む品種としては、湿原に生える大型種のカキツバタ、
赤紫色の花色が特徴的なノハナショウブ、
本州中部以北の湿原に生えるヒオウギアヤメなどがあります。
普通に栽培できる品種であるエヒメアヤメは、
中国地方と九州の草原に生える希少種です。
根が細くかたいので、大きめの鉢に植え付けます。
開花には肥培を要するため、難易度は高めです。
マンシュウコアヤメは、アジアに広く分布する小型種です。
細い葉に埋もれるように花を咲かせます。
イリス・クリスタータ・アルバは、北アメリカの小型種で、
「ヒメイチハツ」の名で流通し、親しまれています。



ハナショウブ、3種
■植え付け・植え替え
・植え付け
品種によって植え付け時期や方法が異なります。
花後に植え付ける品種としては、カキツバタ、ハナショウブ、
ノハナショウブ、ヒオウギアヤメなどがあります。
葉は先端から1/3〜1/2程カットし、根は先端を少しカットしてから植え付け、
水深3cm前後の腰水にします。
夏〜秋の彼岸前後に植え付ける品種には、夏に休眠する、
イリス・レティキュラーなどの球根アイリス類や、オンコキクルス類、
イリス・マグニフィカなどのジュノー・アイリス類があります。
芽先が少し埋まる程度に植え付けます。
その他の品種は、春の芽出し後〜葉が固まるころに植え付けます。
具体的には、アヤメ、エヒメアヤメ、ヒメシャガ、
イリス・クリスタータなどの品種です。
これらの植え付けは、根の先端を少しカットしてから植え付けます。
・植え替え
植え替えは、植え付け同様に行います。
根の伸張が活発のため、根詰まりしないうちに植え替えるようにします。
■栽培管理
・水やり
カキツバタやノハナショウブなどは水盤などの水がなくならないようにします。
一方、アヤメやエヒメアヤメは乾燥に耐えます。
ヒメシャガは、3月〜10月は1日1回、たっぷりと水を与えます。
冬期は、いずれの品種も、4〜5日に1回程度の水やりで良いでしょう。
・追肥
4月と9月に置き肥を与えます。
さらに、3月〜10月は薄めの液肥を週に1回、水やり代わりに与えます。



ヒメシャガ、3種
■増やし方
植え替え時の株分けか、実生で増やします。
株分けは、まず、葉を1/3〜1/2に切り詰めます。
次に、根茎・根をつけて割り、さらに葉を扇状に切ってから植え付けます。
実生で増やす場合は、7月〜8月に採りまきするか、
翌年の2月〜3月上旬にまきます。
4号鉢に10粒程度の種をまき、種がかくれる程度に土をかけます。
日当たりの良い場所に置き、乾かないよう充分水を与えて管理します。
本葉が2枚出たら、薄い液肥で肥培します。
■病害虫
病害虫は特に心配はありませんが、
ヒメシャガの白花種は、過湿にすると、根腐れしやすいです。
>>もっと山野草を見てみる




