
糸を束ねたような花はユニークで原種は黄色の少し地味な花ですが、
品種改良された園芸種は赤系統や花付きが良く鮮やかなものがあります
・学名 Hamamelis japonica
・分類 落葉小高木
・科名 マンサク科
・属名 マンサク属
・原産地 日本
・樹高 3m〜5m
・開花時期 1月中旬〜3月中旬
・紅葉時期 11月上旬〜12月中旬
[マンサクの育て方]
■マンサクの仲間の特徴
マンサクは寒さが厳しい冬時期に他の花に先駆けて開花します。
「まず咲く」花という意味合いから、
「マンサク」という名前がつきました。
また、マンサクは漢字で「満作」と書きます。
マンサクの開花状況でその年の稲の収穫量を占っていたのです。
春を待つ気持ちを和ませてくれる庭木です。

雪にも負けず
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
沖縄県以外の日本各地で栽培できます。
・品種選び
パリダ:
花が大きく、甘い香りがします。
マンサクの中では鮮やかなたたずまいの品種です。
樹高は3mほどに育ち、枝は横に広がります。
イエレナ:
橙色の花が特徴的です。
他のマンサクよりも少し開花時期が早く、花には芳香があります。
花は時間が経つと色が濃くなって行きます。
秋には紅葉を楽しむことができます。
オレンジ色に黄色と紅色が混じり大変見応えがあります。
ディアン:
赤系の花の中では大きな花を咲かせる品種です。
開花時期は他のマンサクよりもやや遅く、2月から咲きはじめます。
オレンジや紅色の紅葉を楽しむことができます。
アーノルド・プロミス:
花付きが良く、大きく芳香のある黄金色の花を咲かせます。
開花時期は遅く2月末から咲きはじめます。
枝が斜め情報に伸びていき、樹形が美しくととのいます。

アカバナマンサク
■植え付け・植え替え
・植え付け
2月中旬から3月下旬か10月上旬から11月下旬の植え付けを行います。
日当たりがよく、肥沃で水はけと水もちのよい土壌で、
冷たい風が直接当たらない場所に植え付けます。
植穴を根鉢よりも大きめに掘り、
掘り上げた土の半分の量の腐葉土を混ぜます。
植え付けた後は土を棒でついてよく固め、
根元を腐葉土や敷き藁で覆って乾燥を防ぎます。
植え付け後、樹がぐらつくようであれば支柱を添えます。
・鉢植えの植え替え
植え替えは2月中旬から3月下旬もしくは10月上旬から11月下旬に行います。
よく花が咲いた年にその後の生長が悪い時は、
一回り大きな鉢に植え替えます。
赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜたものを用土として使います。

マンサクの花芽

花のアップ
■剪定と仕立て方
マンサクは剪定を行わなくても自然に樹形が整います。
主幹を1本伸ばし、2メートルまでは支柱をたてて育てていきます。
剪定は花後すぐに行います。
樹形が卵型になるように、横に張り出している枝は小枝の上で切ります。
真上方向に伸びている立ち枝や、交差している枝は根元から切ります。
枝ばかりが伸びて花が咲かなくなったときは根切りを行います。
株を中心に直径40p〜50pの範囲で、
スコップをたてに4〜5箇所突き刺し、根の一部を切ります。
■栽培管理
・水やり
庭植えでは、長い間雨が降らないときは与えるようにします。
鉢植えでは水切れに注意し、
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
・肥料
庭植えでは生育が良い場合は与えなくてよいでしょう。
花付きが悪い時は2月ごろに根元に堆肥を施すか、
4月から5月の間に緩効性の化成肥料を施します。
堆肥を施すときは、株から少し離れたところに穴を所々掘り、
堆肥を入れて土と混ぜます。
鉢植えでは2月上旬から3月下旬に緩効性の化成肥料を施します。

マンサクの実
・増やし方
マンサクは接ぎ木で増やすことができます。
3月にイスノキを台木にして接ぎ木を行います。
春に種を播いても良いでしょう。
種にはすぐに発芽するものと、発芽まで1年かかるものがあります。
発芽後、3〜4年で開花します。
挿し木は6月〜7月に緑枝の密閉ざしで行います。
ただ、挿し木は成功率が低くあまりお勧めの方法ではありません。
■病害虫
乾燥するとカイガラムシの被害に合いやすくなります。
冬にマシン油乳剤を1か月おきに2回施し予防します。