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アンズ酒を飲みたくて、アンズを育てています、美味♪


アンズは中国原産の酸味のある果実です。
ウメに似た酸味のあるさわやかな味が魅力です。

酸味を活かし、ジャムなどに加工してもおいしくいただけます。
栽培は比較的簡単で、育てやすい果樹です。

早春に咲く、桜に似た美しい花も魅力的です。
アンズの庭植えの育て方をご紹介します。


arrow46-011.gif栽培ポイント
1.剪定を行い、あまり大きくなりすぎないように管理します。
2.花後と収穫後の肥料を与えます。
3.摘果を行い、収穫量を調節します。 



[アンズの育て方 庭植え]


■栽培適地と品種の選び方

・栽培適地
アンズは中国原産の果樹です。
寒さに強く、寒冷地での栽培に向いていますが、
全国的に栽培可能です。

リンゴと栽培環境の好みが似ており、
リンゴの栽培に向いている地域がアンズの栽培にも向いています。

・品種選び
アンズには、朝鮮半島を経由して日本に伝わった「東亜系」と、
ヨーロッパに伝わった「欧州系」とがあります。

生食用にしたいのであれば、
酸味が柔らかで甘みの強い「欧州系」を選ぶとよいでしょう。

「東亜系」は梅に似ていて酸味が強く、
ジャムや果実酒など加工用に向いています。

・東亜系の品種
信州大実:晩生品種で、実付きがよく実が大きく甘みが強く美味です。
山形3号:早生の品種で実付きが良く、実は中くらいです。
花粉が多い品種で、受粉用にも向いています。

・欧州系の品種
ゴールドコット:晩生の品種。実の付きが良く、大きさは中くらいです。
皮が裂けにくく、甘みが強くて酸味が少ないです。
ハーコット:晩生の品種です。
実の付きが良く、皮が裂けにくく、実が大きく甘みが強いのが特徴です。


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たくさん収穫したらジャムにすると美味しいです


■植え付け

アンズは12月〜3月の休眠期に植え付けを行います。
日当たりがよく、水はけがよく涼しい場所を好みます。

庭植えでは5メートルほどに育つため、5m四方の面積を確保したいです。
アンズの土壌はpH5.5〜pH6.5に調整します。

植え付け前に土壌に有機肥料を混ぜておきましょう。
植え付けは、根鉢よりも深い穴を掘り、
古い根や土を取り除いてから植え付けます。

土は、接ぎ木部分を隠さないようにかぶせていきます。
植え付け後には50p程度に切り詰めます。
植え付け後には、しっかりと水を与え、支柱をたてておきます。


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開心自然形仕立て
主幹は短く切り主枝を3本出す


■仕立て方

アンズはそのまま育てていくと5〜6mまで育ちます。
しかし、アンズはあまり高い位置に実をならせると、
樹勢が衰えてしまいます。

開心自然形や変則主幹形にし、
樹高を3mほどで抑えると収穫しやすくなります。


■剪定

剪定は落葉期に毎年行うようにします。
剪定する枝は、徒長した枝や、3年以上たった古い枝です。

このような枝を根元から切り落としてしまいます。
剪定を怠り、太く育った枝を切り落とすと、木が弱ってしまいます。

実付きや木の風通しを良くするためにも、剪定は毎年欠かさず行います。
庭植えの場合は、3mくらいのところで頂点を切り、
あまり高くならないようにします。


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アンズの花も良い香りできれいです


■栽培管理

・施肥
アンズは実付きをよくするために毎年肥料を施す必要があります。
基本的には、3月の落葉後と9月の収穫後に、化成肥料を施します。
土壌の肥持ちがあまり良くなく、樹勢が弱いのであれば、2月の新梢が展開し始める時期に有機肥料を施します。
実の肥大が遅いようであれば4月に化成肥料を施します。

・受粉
アンズは自家受粉性で、1本でも実が付きます。
しかし、受粉用の木を植えておくと実付きが良くなります。

基本的には人工授粉は必要ありませんが、
アンズの花が咲く早春は虫の数が少ない時期です。
人工授粉を行うと、確実に実をつけることができます。
*人工授粉は、開花3日以内に花と花を軽くこするか、
筆でシベのあたりをなぞって受粉します。

・摘果
アンズは実の数を制限しなければ樹が疲れてしまい、
翌年の実付きが悪くなります。
開花後1か月した時期には、
20枚の葉に果実1個を目安に残して摘果を行います。


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実が色づいてきたら収穫です


■収穫

アンズは品種によって異なりますが、
6月中旬から7月中旬に収穫期を迎えます。
黄色く色付き、完熟したものから順に収穫していきます。


■病害虫

・灰星病
雨の多い時期に発生する病気です。
実の表面に1o程度の灰色のぶつぶつがたくさんできます。
病気が発生した枝は根元から木って離れたところで処分します。

・黒星病
雨の多い時期に発生します。実に黒い斑点ができ、奇形になります。
薬剤を散布して消毒を行う必要があります。

アブラムシ:春先に発生し、花や葉の汁を吸います。
薬剤を散布して駆除します。

・コスカシバの幼虫
幹の中に潜り込んで食害します。
幹に木くずの付いたヤニがついていたら、害虫が住み着いています。
ナイフで木の皮を切り取ると、害虫を見つけることができます。

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