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種から育ててみませんか?


ユズの果汁をしぼったら、種がたくさん残りますね。
この種を栽培したら、ユズの実がなるのでしょうか? 


結実を早くする接ぎ木の仕方図版を用いて分かりやすくご紹介します。 


■ユズ 種からの育て方

1.ユズの種の特徴は?
ユズなど、柑橘類の種を播いても、同じ品種の実がなるとは限りません。
柑橘類の種は、多胚性といって、
一つの種にたくさんの胚(芽)を持つ習性があります。

胚の中には、受精胚と受精していない珠心胚とがあります。
珠心胚は他の遺伝子が入っていないので、
母親であるユズのクローンになります。

しかし受精胚は他の遺伝子が入っているので、
違う品種の実がなる可能性があります。

2.ユズの種の発芽は?
ユズの芽は、当たりはずれが大きく、
中には生長が遅い芽や、育っても実をつけない芽があります。

そのため、たくさんの種を播いて発芽させ、
育てて行く中で生長がよいものを残していく方法がお勧めです。 


3.ユズの苗木の育て方は?
ユズの種の周りはぬるぬるとしています。
このぬめりは種を乾燥から守るものですが、
種を播くときにはよく洗って取り除きます。

その後、胚を包んでいる種の外側を、
ピンセットなどでつまんでむきとります。

湿らせたティッシュペーパーの上に、
しばらく置いておくと発芽してきます。

芽が2〜3o発芽したら、パーミキュライトなど、
保湿性のよい無菌の土に、根を下にして植えます。
本葉が3枚ほどに育ったら鉢に植え替えます。

4.接ぎ木の仕方は?
ユズの実生はそのままでも実をつけることはできますが、
接ぎ木をすると早く実をつけるようになります。
接ぎ木の台木には、カラタチを使います。
>>カラタチ 鉢植えの育て方

ユズが発芽して、1年半以上経過したら、接ぎ木をすることができます。
接ぎ木をする時期は、3月〜5月です。
3月に接ぎ木をすると、発芽率は下がりますが、秋までにしっかりと生長することができます。

5月の接ぎ木は発芽率はよいのですが、
生長する期間が短くなってしまいます。

3月に、接ぎ木を行う穂木を剪定ばさみで切り取ります。
穂木は乾燥しないよう、濡らした新聞紙でくるみ、
ポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で貯蔵しておきます。


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穂木の削り方


接ぎ木を行う時期になったら、
穂木の株を斜めに切り取り、樹皮を削っておきます。

カラタチの台木は枝を取り除き、
10pくらいの高さで上部を切り取ります。


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台木の用意と穂木の差し込み


台木の木質部と樹皮の間にナイフを入れ、
3pくらい下まで切り目を入れます。

この切り込みに穂木を差し込みます。
穂木の削った面が露出しないように気をつけましょう。


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接ぎ木部分をテープで巻く


接ぎ木の部分に接ぎ木テープを巻いて固定し、
接ぎ木の切り口や穂木の穂先に癒合剤を塗ります。
上からビニール袋を巻いて乾燥を防ぎます。

台木から芽が出てきたら、切り取ります。
接ぎ木した穂木からは、1か月ほどで新芽が出てきます。

5.ユズの実がなるまでどれくらい?
「桃栗3年柿8年柚の大馬鹿18年」と言いますが、
ユズを種から育て、実をならすにはかなりの時間がかかります。

種の性質や、育つ環境に寄りますが、
早くて10年、条件が悪ければ20年ほどかかることがあります。

接ぎ木をすれば、4〜5年で実をつけることができるようになります。
接ぎ木に挑戦するのも楽しいものですが、
長い年月をかけて実をならせるのもロマンがあります。

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