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本ユズは、お料理に添えると抜群ですね


ユズは、香りがよく、料理に添えると味をぐんとひきたててくれます。
ユズには本ユズとハナユがあります。
ハナユは樹形もコンパクトで実付きも良く、育てやすいのが魅力です。

ですがやはり、すっきりとしたまろやかな香りは本ユズに限ります。
本ユズは多少栽培にコツが必要ですが、
こちらのポイントさえ押さえれば毎年実をならせることができます。

arrow46-011.gif栽培ポイント
1.若い木のうちに樹形を仕立てます。
2.早めに摘蕾や摘果を行い、隔年結果を防ぎます。
3. 適切な時期に追肥を行います。 



[本ユズ 庭植えの育て方]


■栽培適地と品種の選び方

・栽培適地
ユズは柑橘類の中でもっとも耐寒性にのある果樹です。
どちらかというと寒冷な土地の方が栽培に適しています。

年間の平均気温は12℃以上で、
最低気温が−7℃以下にならないところが良いでしょう。

植える場所は、夏の西日や冬の北風に当たらないところを選びます。

・品種選び
ユズには、「無核種」「早期結果種」「普通種」の3つの系統があります。 
カラタチの台木に接ぎ木した、1〜2年生のポット苗を購入します。

時々、接ぎ木でない苗木が売っていることがあります。
実勢苗というのですが、生長が遅く、
植え付けから収穫まで10年から20年もかかってしまいます。

必ず、接ぎ木の苗であることを確認してから購入しましょう。
接ぎ木の苗木であれば、植え付けから3〜5年で結実します。 


無核種」は、果実に種が少ないか、全くないのが特徴の品種です。
代表品種に「多田錦」があります。

多田錦は、香りはやや少ないのですが、果汁が豊富です。
樹形が強くて育てやすく、トゲも小さいので扱いやすいといえます。

隔年結実がなく、ユズの中では3年と比較的早くに結実します。
実はたわわに実り、実の貯蔵性も良く、
収穫後2か月は保存することができます。

早期結果種」の代表品種は「山根」です。
実が大きく、香りが強く、早く結実するので初心者向きの品種です。
ただ、耐寒性が弱いので、冬に極端に気温が低くなる、
地域では栽培が難しいでしょう。

普通種」は「木頭」が代表的な品種です。
樹形が強くて育てやすい品種です。実が大きく、収穫量も豊富です。
人気の品種ですが、トゲが密生するので取扱には注意が必要です。


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木頭本ゆず 15cmポット接木苗  C) 土っ子倶楽部


■植え付け

ユズの植え付けには、直径6〜7メートルほどの空間が必要です。
植え付け後に順調な成長を促すためには、土壌を柔らかく耕し、
肥沃な状態にしておきます。

12月〜2月ごろに直径1m、深さ60cmほどの穴を掘ります。
土はそのまま霜に当てます。こうすることで、土が細かくなります。

掘り上げた土に、苦土石灰3s、熔燐1s、
鶏糞と完熟たい肥各4sを混ぜ、穴を埋め戻します。

苗を購入したら、根が乾燥しないように、
麻袋を濡らしてかけるか仮植えして水を与えます。

植え付けは、3月下旬〜4月上旬ごろまでには終わらせるようにします。
植え付ける時は、苗の根についている土を洗い、
根の先端が痛んでいたら切り落とします。

1年生の苗木であれば、接ぎ木の部分から50〜60cmで切り戻し、
癒合剤財を塗っておきます。

植穴は深く掘り、根をできるだけ広げて植え、
接ぎ木のところまで盛り土をします。

盛り土がしっかりと湿るように水を与えてから、
盛り土を麻布などで覆い、さらに水を与えます。
支柱は地面から斜めに立てます。


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開心自然形で主枝を3〜4本残し誘引します


■仕立て方

ユズは樹勢が強く、直立上に伸びる習性があります。
木が高く伸びてしまうと、収穫や、病害虫の駆除が難しくなるので、
低く管理しやすいように仕立てる必要があります。

一般的には、開心自然形か杯状形にします。
主枝を3〜4本残し、他の枝を切り取ります。 


残した主枝を地面に固定した杭からロープを張って、
枝を下に引っ張るように広げていきます。

この時に、分岐部がさけてしまわないように、
枝の根元同士をロープで縛っておきます。


■剪定

ユズは樹勢の強い木なので、剪定を欠かすことができません。
3月ごろから、開花までの時期に、主枝に交差する枝や、
競合する枝を切り取ります。

また、ユズには表年(豊作の年)と裏年(不作の年)があり、
交互に繰り返す隔年結果になりやすい果樹です。

しかし、管理の仕方で、隔年結果にならないようすることができます。
ユズには春枝、夏枝、秋枝があります。
春枝は、春に伸びる枝で、翌年の結果母枝になります。

この春枝を剪定によって調整することで、隔年結果を矯正していきます。
裏年の年には春枝が多くあります。


夏枝、秋枝とともに剪定し、良質の春枝だけを残します。
逆に、表年には花芽の付いた枝をできるだけ残すように剪定をします。


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愛らしい花


■栽培管理

・施肥
春肥は生長に欠かせない元肥となります。
1月〜2月に苦土石灰と鶏糞などの有機物を混ぜたものを施します。
3月には、油かす1または鶏糞を施します。

夏肥は、夏枝が伸長し、
幼果が大きくなり始める6〜7月ごろにイワシかすや油かすを施します。

秋肥は、秋枝が伸長し、果実が大きく育つ9月から、収穫期の11月ごろに、
イワシかすや油かすを施します。

気温が低くなると、肥料の効きが悪くなるので、
気温が12℃以上の時期に施しましょう。


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ユズの赤ん坊です!


■摘蕾・摘果
ユズは、摘蕾や摘果を行うことで、
一つ一つの果実に栄養をいきわたらせることができます。 


また、果実の数を管理しないと、
木の勢いが弱り、隔年結果の原因になります。

摘蕾は、できるだけ早い時期に手で摘み取ります。
摘蕾が充分にできなかったときは、
6月ごろの自然落下に合わせて摘果します。

摘蕾、摘果は、木全体にまんべんなく間引く全面摘果、
木の半分だけを完全に取り除く樹半分全摘果、
枝ごとに実をならす枝とならさない枝に分ける、
主枝・亜主枝単位の全摘果があります。


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トゲに注意して収穫します


■収穫
ユズは、10月中旬から下旬にかけて、黄色く色づいた実を収穫します。
ユズは外皮が弱いので、収穫時期に傷をつけないように、
枝のトゲを切りながら行います。

■病害虫
・そうか病
カビが原因の病気で、感染すると病斑が突起し、伝染していきます。
見つけ次第除去します。

・黒点病
カビが原因の病気で、黒点状の病状が現れます。
枯れ枝を放置しないように気を付けることで予防できます。

・灰色かび病
開花時期に多湿になると発生する病気です。
開花時期に枝を軽くゆすって花弁をふるい落とします。
雨の多い年は、特に注意が必要です。

■ユズのわかりやすい育て方
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