
カボスは大分県特産の柑橘類です
カボスは酸味がまろやかで、苦みや甘みがあります。
ミネラルを含むため、味に塩味を含みます。
そのため、塩や醤油をかける代わりにカボスをしぼると、
おいしい上に減塩効果が期待できます。
カボスの庭植えの栽培方法をわかりやすくご紹介します。

1.強風の当たらない、肥沃で水はけのよい場所に植えます。
2.樹の内側に実が付くので、剪定で実に日が当たるようにします。
3.たくさん実が付きますが、摘果して実の数を制限するとおいしい実ができます。
[カボス 庭植えの育て方]
■栽培適地と品種の選び方
・栽培適地
カボスは柑橘類の中では耐寒性に優れ、−7度まで耐えることができます。
東北地方よりも南の地方では庭植えで育てることができます。
肥沃で水はけのよい土地で、強風に当たらない場所を好みます。
樹形が強いので日当たりが良ければよく育ちます。
・品種選び
カボス大分1号:カボスの代表的な品種で、実が大きく、
樹形が強くて育てやすい品種です。
豊のミドリ:実の大きさはカボス大分1号と変わりませんが、やや扁平です。
緑が濃く、黄色く熟してくる時期が他の品種よりもゆっくりです。
クエン酸濃度と糖度が高く、実の耐寒温性が高く、貯蔵用に向いています。
香美の川:カボス大分1号よりも少し小ぶりです。
種が少なく、皮が薄く、果汁量が多いです。
クエン酸濃度が低く、フルーティーな味わいです。
祖母の香:カボス大分1号よりもやや小ぶりです。
果実に縦の筋が入っています。
味わいはカボス大分1号と変わりませんが、
種が少なく利用しやすいです。

カボスの苗 C)花ひろばオンライン
■植え付け
植え付けは3月〜4月中旬までに行います。
カボスの好む場所を植え場所として選んだら、植え穴を掘ります。
50p四方で、深さ50pの穴を掘ります。
掘り上げた土に堆肥と腐葉土を混ぜ、少し穴を埋め戻します。
カボスの根を引き抜いたら、根はあまり崩さないように植え付けます。
植穴を埋め戻し、たっぷりの水を与えます。
添え木をし、根元を敷き藁などで覆って乾燥を防ぎます。
■仕立て方
カボスは4〜5年で実をつけますが、
実が付くまでは徒長気味に発育して伸びた枝は下に垂れ下がります。
実が付きはじめると樹が落ち着いてきます。
樹が落ち着いたら主枝を3本選んで開心自然形に仕立てます。

開心自然形に仕立てます
■剪定
実が付くまでは、垂れ下がった枝だけを切り戻します。
カボスは樹冠内部の細い枝に実をつけます。
剪定は込み入った枝を切り取り、
樹冠の中の日当たりがよくなるように行います。
切り返し剪定はあまり必要がありません。
剪定は、3月ごろに行います。
*詳しい剪定方法は、ユズに準じますので下記をご覧ください。
>>ユズ 仕立て方と剪定方法は? 図解
■栽培管理
・施肥
3月に元肥として有機肥料を施します。
6月の夏肥と、9月〜11月の間に与える秋肥は即効性の化成肥料を与えます。
・受粉
カボスは1本の樹で実をつける自家結実性です。
人工的に授粉を行わなくても、自然に実をつけます。
■果実管理
豊産性で房状に着花したものがそのまま結実します。
質の良い実を収穫するためには摘果を行い、
8月ごろには8枚の葉に対して1個の実がなるように調節していきます。
摘果した実は料理に使うことができます。

実は青いうちに収穫します
■収穫
9月下旬から12月中旬にかけて収穫と行います。
果実が黄色く熟してしまうと、
せっかくの酸味と香りが減ってしまいます。
実は、青いうちに収穫を行います。
■病害虫
カボスで特に注意が必要なのはかいよう病です。
かいよう病は果実や葉、枝にコルク上の穴が開く病気です。
強風やミカンモグリガが付けた傷口から病原菌が侵入してきます。
樹をよく観察し病気にかかっている葉や枝を見つけたら、
すぐに枝ごと切り取って処分します。