子供のころキンカンを初めて食べて美味しさに感動しました
キンカンは柑橘類の一種ですが、果皮が薄く滑らかで、
果肉よりもむしろ甘みがあるため、皮ごと食べられるのが特徴です。
キンカンの栄養と利用法についてご紹介します。
■キンカンの栄養
他のフルーツ同様、キンカンは果肉より皮の方に、
より多くの栄養分が詰まっています。
特にビタミン類が豊富で、レモンに匹敵する量のビタミンCの他、
ビタミンB1やビタミンE、βカロテンなどが含まれています。
皮ごと食べたいキンカン
◎ヘスペリジン
スジや袋の部分には、フラボノイドの一種の、
ヘスペリジン(ビタミンP)も含まれています。
ヘスペリジンには強い抗酸化作用があり、
血中コレステロールの改善や毛細血管の強化、
血流改善効果、抗がん作用、抗アレルギー作用が、
あるとされています。
また、ヘスペリジンはビタミンCの吸収をよくする働きもあるため、
もともと含有量の多いビタミンCを、
効率よく摂取することができます。
キンカンはまた、果物としては多くのカルシウムを含んでいます。
◎クリプトキサンチン
さらに、キンカンの黄色い色は、カロテノイド系の黄色色素である、
クリプトキサンチンという成分によるものです。
クリプトキサンチンには活性酸素を除去する働きがあり、
アンチエイジングや、視力保持に効果があると言われています。
キンカンの愛らしい花の香りに誘われて、蝶がたくさん蜜を吸いに来ます
◎テルペン
キンカンの香りは、テルペンと呼ばれる精油によるものですが、
テルペンには鎮静効果があり、興奮した神経を鎮め、
ストレスを解きほぐし、リラックスさせる効果が期待できます。
民間療法では咳止めや粘膜の炎症を鎮める働きが知られており、
特に喉の風邪に効くとされ、重宝されてきました。
これは、キンカンに含まれているビタミンAとCの作用です。
これらのビタミンには、粘膜を強くする作用があります。
実だけでなく、葉を煎じて飲んでも、同様の効果が得られます。
甘露煮、ジャムやお酒も美味しいですね
■キンカンの利用法
多くのフルーツや野菜は果肉よりは、
むしろ皮の方に多くの栄養が含まれていますが、
キンカンは皮が甘くて柔らかいため、
皮も一緒に食べられるのが大きな魅力です。
丸のまま生食してもいいですが、
果皮より果実の方に強い酸味があり、
人によっては苦手な方もいらっしゃいます。
砂糖煮やシロップ漬、ジャムやマーマレードにすると、
酸味が甘みを引き立て、美味しくいただけます。
民間療法ではキンカンは風邪を引いて喉が痛い時に食します。
酸っぱいと飲み込む時に辛いため、
砂糖煮などにして摂取すると良いでしょう。
実だけでなく、成分が溶け出ている煮汁も、
余さず飲みたいものです。
料理への利用法としては、肉類の煮込み料理に加えると、
肉質が柔らかくなり、柑橘類特有の香りや甘酸っぱさが加わり、
たいへん風味が良くなります。
■キンカンのわかりやすい育て方
・キンカンの育て方 庭植え|耐寒性が強く栽培しやすいです
・キンカンの育て方 鉢植え|実も花も楽しめ美味です
・キンカン 実がならない理由は?
・キンカン 剪定方法は? 図解
・キンカン 肥料の与え方は?
・キンカン鉢植えの植え替え時期と方法